
かつては高級な装飾品や工芸素材として珍重された象牙ですが、現在では国際条約や国内法によって取引が厳しく制限されています。
売買や譲渡を検討する際には、次の3点を必ず確認しましょう。
誤った取引をすると、厳しい罰則が科されるおそれがあります。

象牙であっても、彫刻品や加工品(印材・アクセサリー・小物など)は、登録票なしでも国内で売買・譲渡が可能な場合があります。
ただし、「全形を保持した一本物の牙(全形牙)」は別。国内で取引するには国際希少野生動植物種登録票の取得が義務です。
全形牙を売る・譲る場合には、「国際希少野生動植物種登録票」が必要です。登録票がないまま取引すると違法行為になります。
登録票があっても、名義が他人のままでは取引できません。相続や譲渡などで名義が変わった場合は、一般財団法人 自然環境研究センターで名義変更の手続きを行いましょう。
| 区分 | 罰則内容 |
|---|---|
| 個人 | 最大5年以下の懲役または500万円以下の罰金、またはその両方 |
| 法人 | 最大1億円以下の罰金 |
実際に、ネットオークションやフリマで登録票なしの象牙を出品し書類送検された事例もあります。

登録票の申請には、「1989年以前に国内で入手された象牙」であることを証明する資料が必要です。放射性炭素年代測定などで証明できますが、費用は10~20万円程度+登録手数料5,000円/本と高額です。
そのため、登録を断念し売却をあきらめるケースも多く見られます。
💡 象牙の重量が20kgを超える場合は、費用以上の価値が出ることもあります。市場価格は変動するため、事前に買取業者へ確認するのがおすすめです。
登録票がない全形牙は、売却や譲渡ができません。この場合の対応は次の通りです。
多くの方は、自治体へ相談のうえで処分されています。
レプリカ(象牙風素材)は見た目が非常に似ており、素人では判別が難しいことがあります。
「これは登録が必要?」「処分していい?」と悩んだら、自然環境研究センターや自治体、または信頼できる買取業者に相談しましょう。